メディカルマーケティング

夜間人口の少ないビジネスパーソンの多い地域にあるメンタルクリニックのマーケティングのお手伝いをした時のこと。

クリニックとはいえ、もちろんゴールは売上アップ。売上アップの方向性として、来客(患者)数を上げるか客単価を上げるか、その両方かでポテンシャルを探る。
そもそもビジネスパーソンの多い地域に精神科のクリニックを開業した理由はというと、ドクター曰く「出社時、ランチタイム時、退社時の歩き方や覇気のない表情、不夜城のように深夜でも煌々と電気のついたフロアが多いビルが多数あることから、絶対に潜在需要が多いはずだと思った」とのことで、その読みは確かに正しい。そして、精神科は高額な医療機器などの設備投資も不要(大掛かりな検査は大病院を紹介)で、マンションの一室でも開業できるという点でも最も低コストで開業できるカテゴリーだ。できるだけ早く開業したかったというドクターは、それを見越して最初から精神科を志したという。

ただ、思っていたよりも売上が立たず、苦戦していたところ、ご相談をいただいた。早速、実態を探るべく、週明け、週の真ん中の水曜日、週末の金曜日の朝晩とランチタイムと街を歩く潜在顧客と思われるビジネスパーソンを定点観測した。年齢層、男女比率、ファッション、ヘアスタイルやメイク、歩き方、体型など、目的に合わせて10項目以上を設定し、ウォッチした。

詳細な結果は差し控えるが、メンタルクリニックという看板が心理的ハードルが高く、ココロの不調を少し感じていたとしてもなかなか自らは来院しにくい。そのハードルを下げるためにクリニックの名称を柔らかい表現に変更し、ゆるかわいいロゴを作成、心理的ハードルを下げるためにニンニク注射やビタミン注射など自費診療でもお手頃価格で疲労回復を謳ったメニューを前面に出す戦略で行くことになった。
これらが功を奏し、昼休みついでにニンニク注射やビタミン注射にくる方が続々と増え、何回も来るうちにドクターとの信頼関係もできてきて、「このドクターなら気軽に相談できそう」と、「実は、私。。」とメンタルの相談・診察に自然とつながる流れができ、疲労回復メニューも増やし、来客数・客単価ともに上げることができた。

実はこれは、夜は高い飲食店がお手頃価格のランチを提供するのとかなり似た作戦なのです。

※画像はAI作成のイメージ画像です