日本人の香り偏差値

調香師の方にインタビューする機会がありました。ファッションや食の世界で海外で日本人も増えていますが、圧倒的に少ないのが「香り」の分野なのだとか。確かにシェフやパティシエに比べると、誰もが知っているような有名調香師は思い浮かばない。調香師になるための面接などで、例えば「ラベンダー」について語らせるとその差が歴然なんだとか。フランス人が「小さい頃、おばあちゃんの家の庭にラベンダーがたくさんあって、ある雨の日に愛犬を抱きしめた時にラベンダーの香りと濡れた犬の毛のスモーキーな匂いが混ざって、その組み合わせが私の小さい頃の幸せな思い出の1つ」ぐらい語れるのに対し、日本人は個人的な香りの経験値が少なくそこまで語れる人はほぼいないそう。確かに香りに関する調査でも、芳香剤や柔軟剤の人工的な香りの体験は多くても、なかなか自然の中の香りを心から楽しんでいる人は少ない。日本人は「マニアックに様々な香りを使い分けている層」「人気の香りを何となく選んでいる層」「香り=悪で、香水=香害と敵視している層」「嗅覚過敏という疾患層」はそこそこの数がいるが、その中間層が極端に少ないように思う。エッシェンシャルオイルやフレグランスをTPOや1日の時間帯で使い分ける楽しみ方の提案はまだまだ余地がありそう。